通常、介護職に就くには職業として介護をすることが認められているホームヘルパー講習の終了資格だけ持っていれば、まずは十分です。〇〇セラピーやコーディネーターなども増えていますが、公的な資格ではありませんので必ずしも就職に有利とはいえません。
「療法」という言葉には治療というニュアンスが入りますが、ホームヘルパーは治療をすることはできません。リハビリの一環として、園芸や音楽などを取り入れたいのであれば、ケアマネジャーに相談が必要です。あくまでも介護はチームで行うものですから、他のメンバーが理解、共有できないような個人プレーは仕事の妨げになってしまいます。ましてや、お年寄りに押しつけるようなものでもありません。「療法」というよりも、「利用法」として取り入れるくらいが良いでしょうし、資格があると損にはならないはずです。
しかし、生活支援をするのだという原点に立ち戻ることが大切です。それぞれのケアのプロとなることで、忘れてしまうことも多いのです。その多くはお年寄りと同じ目線で世界を見るということです。もしも園芸療法の専門家になったとしたら、お年寄りが草花を見るのと同じ視線で草花を眺め続けることです。プロとして技術を磨くことは大切ですが、プロ意識が高すぎると生活者としてのお年寄りの主体性を無視し、自分の技術を押しつけてしまうものです。「技術はプロでも心はアマチュア」という気持ちで生活支援をするのがよいと思います。